ついに2020年東京ドームでメイン! 飯伏幸太のサクセスストーリーが凄い。最強と最凶の読後レビュー

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2019年は、有料ネット配信を見るユーザーが増えて、ますます地上波テレビ放送離れが進んでいくと予想される。

Amazon primeにNetflix、Huluなど私は、ネットに接続している時間が長く、ついつい、広告の時間が無駄と感じyoutube premium会員になっている。

個人が自分の趣味に合わせて、課金対象を選べる良い時代になった。

私は、昔はプロ野球とプロレスの会場に行く位のファンだったが、それらがテレビ放送を止めた後は、熱が冷め約20年遠ざかっていた。

そんな、ある日Amazonprimeで博多大吉がやっているぶらり路上プロレスという番組を目にした。

これです。

その番組は、プロレスファンでない一般人がいる街中でゲリラ的にプロレスを見せるのだが、その中でもひときわ目を引くレスラーがいた。

彼は自動販売機の上や自動車の上からムーンサルトプレスを軽々と繰り出し、プロレスに免疫の無い人を驚かせていた。

私は初代タイガーマスクに夢中になった世代なので、空中殺法を得意とするレスラーが好きなのだが、彼は専用のリングでは無く街中にある普通の設備を使って危険な後方回転をするところが斬新だった。

また空中でのフォームがとても美しく、顔もボディも綺麗なので、その日からはそのレスラーがとても気になる日々が続いた。

男の名前は飯伏幸太である。

ググってみると、鹿児島県出身で、急成長しているDDTという団体の選手だと解った。

youtubeで検索してみると彼のいくつかの試合を見る事が出来る。飯伏の試合は、破天荒な物が多く、男色ディーノとの下ネタ全開から、人形のヨシヒコとの試合など、従来のプロレスの概念や想像を超える内容で、言語化するのが難しくもどかしい。

自伝 最強に記載されているが、飯伏はDDTのデビュー戦で引退しようとしていたらしい。

15年前のデビュー戦の映像がDDTより配信されいるが、新人なのにいきなりムーンサルトプレスやバック宙をしており

今のファイトスタイルの原点を垣間見ることが出来る。

私は、プロレス会場から離れて20年くらい経ち興味を失っていたのだが、その面白さに再び熱を上げる事になった。

オカダカズチカが現在新日本プロレスのトップに君臨しているが、オカダの試合を見るようになったのも飯伏がきっかけである。

体格や若さではオカダが上回るが、飯伏には他のレスラーが真似出来ない多彩なムーブがある。

私は、プロレスに再び熱が入り情報を求める為、月額999円の有料動画配信サイト、新日本プロレスワールドに加入した。

そこで、現在新日本プロレスが再び人気になっている理由が解った。プロレスは、時代が変わりより技やキャラクターの演出が進化していた。

見ようと思えば昔の映像ライブラリも有るのだが、見るのは飯伏やオカダ、オスプレイなど新しい試合の方が面白い事が解った。

飯伏のフィニッシュムーブは、かつてはフェニックススプラッシュ、現在はカミゴエという膝蹴りに変わっている。


フェニックススプラッシュは、難易度が高い空中回転の技で、正直なところどういう回転をしているのか私には解らない。

映像ではもちろん見れるのだが、速くて複雑なので、理解が追いつかないのだ。

昔のプロレスではタイガーマスク、武藤、小橋のムーンサルトプレスが印象に残っているが、それらの技とは比較にならないくらい飯伏の空中回転技は凄い。

ムーンサルトプレスを1回した後、着地して連続で行うムーンサルト(ムーンサルトムーンサルト)などは、もはや芸術的で体操選手に近いのではないかと思う。

そんな空中回転技が得意な飯伏選手だがジュニアヘビー級で数々の相手を倒した後は、ヘビー級戦線に参戦している。

飯伏の試合をいくつか見た後、更に彼の事が知りたくなり情報を集める事にした。

気になったのが5年ほど前にに発売された最強と最狂という2冊の書籍である。

インディー団体から新日のドーム大会でのメインにまで上り詰めた彼のヒストリーが知りたいのだ。

新日ドーム大会の直前、2019年の大晦日、つまらなくなった総合格闘技のRIZINでのヒョードルを見ながら、Kindleでワンクリックした。

ドーム大会でメインを張るオカダカズチカも飯伏も生え抜きの新日の選手ではないのが、古いファンには驚きだ。

彼らは、マイナー団体からキャリアを積んでトップに上り詰めた新時代のヒーローなのだ。

飯伏の自伝では、離乳食が刺し身だとか、3歳から自転車に乗れたとか、常人とはかけ離れた奇想天外なエピソードが満載である。

その中でも、特に心に響いたのは、彼のようなずば抜けた身体能力を持っていても、ここまでの成功を手に入れるまで、社会で数多くの苦労を経験してきている事だった。

彼が試合で観客を魅力するパフォーマンスが出来るのも、人とは異なる経験をしてきたからなのだろう。

彼のプロレスラーとしての原点は、小学生時代に既に確立されていて、サスケやライガーと同じ技をする事が、出来たらしい。また、その頃からプロレスの技の受け身の美学を知っていて、危険な角度で頭から落ちる受け身を練習していたという。

普通の人なら、何らかの格闘技やスポーツを経験した後にプロレスラーに進むのが過去のセオリーだが、飯伏の場合は憧れから入り、子供で素人なのに難易度の高い技や受け身を先に自分で考えて身に着けたところが、天才的だ。

プロレスラーが他の競技と異なるのは、相手の技を受ける技術やスタミナだ。

総合格闘技は、誰が一番強いのか?という人間の好奇心を刺激して一時代を築いたが、長続きしなかった。

それらの試合には、人間の心を動かすストーリーや情念などが無く、興行としては魅力のない物だった。

だがプロレスラーには、人間としての生き様、人間模様を大衆に対して身体を使って見せてくれる凄さがある。

飯伏は、一流のプロレスラーになるまでに紆余曲折しているが、有名になる前から、プロレスラーの技を見て習得してしまう頭の良さと身体能力を兼ね備えており、普通の人には真似する事は不可能だろう。

彼は、プロレスラーになる前に就職しており社会人経験がある所も異色である。

今のキャリアとポジションからは、想像が出来ないのだが、会社を辞めた経験や登録制の日雇い派遣で危険な仕事をした事もあるらしく、妙に親近感を覚えるのである。

今でも派遣の仕事というのは、不安定な働き方で、人間扱いされない部分があるが、そうした社会構造の理不尽さや危険な部分を理解するには、実際にその身分や仕事を経験した物にしか理解できないだろう。私は、登録制の派遣会社で働いて怪我をした経験があり、その実態が人身売買である事や身体的リスクを伴う事だと身を持って学んでいる。

飯伏の自伝では、派遣された危険な職場の記述があり、闇金ウシジマくんバリのリアルな危険さを垣間見ることが出来る。

2019年は消費税が10%に上がり、好調な業績の会社迄もがリストラを始めるなど日本経済の崩壊がより進んだ年だったが、将来に備えて副業を始める人やフリーランスとして新たな事業を始める人も増えてきている。

それでも、理想とする収入を得られる人は限られている。

資本主義経済下では、持てるものはより富み、持たないものは更に貧しくなっていく。

生きる事は、サバイバルなのだと藤岡弘、が言っていたが、AIが進化して人間の仕事が減っていく中で、生きていく為には、人間が肉体を使って行うアナログな仕事や、頭を使ってスキルや何らかの物を売る必要がある。

飯伏選手は、人が喜ぶからプロレスというハードで命がけの仕事をしているのだという。彼の手抜き無しで常に自己ベストの試合を目指す姿勢はファンや社会にも認められて、これからもより幅広い層のプロレスファンを獲得していくだろう。

人間にしか出来ない仕事。飯伏幸太の人間の肉体の限界に挑戦する姿勢は、楽してお金を稼ぐ事を夢見る甘い人間に気づきを与えてくれるクオリティーの高い生きたコンテンツである。

コピーライティングとか上辺だけの薄っぺらい技術だけでは仕事は続かないだろう。

社会の現実を知り、生きるか死ぬか?そんなピンチをくぐり抜ける事で人の心を揺さぶる芸術は生まれる。

これを書いているのは、2020年の元旦、1.4、1.5の新日ドーム大会の前である。

ネットで見るか?ドームへ行くか?まだ決めていないが新日対Uインターの武藤対高田以来の期待感の高まる一戦である。

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